将来、国際公務員として、国際機関で働きたいなら、アメリカの大学で、国際研究学を専攻するのが一番の近道です。実際、国際公務員の大半は、アメリカ大学院の卒業生で構成されています。また、国連職員の学歴は9割以上が修士号や博士号の取得者です。 一般的に、国際公務員に合格するためには、各分野での高度な専門知識・コミュニケーション能力・即戦力たりうる職務経験が求められます。このためには、まず学部課程で基礎を固め、専門を絞って大学院に進学し、卒業後に一定の職務経験を積んだ後、受験という流れになります。力のあるアメリカ大学の国際関係学や国際研究学のカリキュラムは、圧倒的な選択肢の豊富さと、専門性の高さに、驚きます。 アンリか大学で学ぶ領域は、途上国などが抱かえる地域の問題や戦争や外交のような国家間の関係、国際連合など国際機関に関する問題、国際テロリズムの問題まで、色々です。アメリカ大学ではこのような問題に対応するため、カリキュラムを工夫しています。政治、経済、文化、歴史など国際関係を理解する前提となる科目の理解を深めながら、国際関係論、開発学、異文化コミュニケーション、環境学、平和研究などの専門領域に進みます。 また、実際に、国際機関や米国政府機関で働くインターンシップの機会もあります。国際公務員として国際機関で活躍する為には、英語などの語学力を人一倍、強化しなければなりません。高い英語力は異なる人々とのコミュニケーションを円滑にする為には絶対条件です。国際関係学が扱う領域は、核兵器の開発保有、大量破壊兵器の密売問題から民族紛争、宗教対立、難民制度、エイズ、国際貿易摩擦、地域環境破壊、国際テロリズムの問題まで多種多様です。
国際研究学
International research
国際研究学International Research
環境学Environmentology
世界規模での環境破壊や環境汚染が進行し、環境問題は、21世紀における全人類共通の重要なテーマになっています。それだけに国連などの国際機関や非政府援助機関のNGOでは、環境分野のスペシャリストの養成が行なわれています。環境問題に取り組む場合、国全体や国際的な視野から、政策レベルで取り組むアプローチや、それぞれの個別の課題について、研究領域からアプローチする方法とがあります。 たとえば人類学、化学、地理学、生物学、気象学、地質学、社会学、社会科学、天然資源学のいずれかを、環境学のアプローチのための重点領域として決定し、その視点から研究をはじめていきます。ただし、いずれかを重点領域にしたとしても、さまざまな分野の学問知識を駆使しての学際研究型の取り組みは変わりません。環境系の学部は、日本ではまだ世界水準に達しておらず、学ぶことのできる大学の限られています。それに比べてアメリカ大学では多彩な専門コースを設定しているので自分の興味に応じたプログラムを専攻できます。
地域研究学Area Studies
国際研究の関連分野の中で、特にそれぞれの地域にフォーカスをあてて研究を進めていくのが地域研究学です。アジア研究、アフリカ研究、アメリカ研究、ヨーロッパ研究などといったものが代表的です。但し,地理的範囲としては限定されていても、開発学、国際関係論、国際経済学、国際政治外交史、安全保障論など、国際研究におけるあらゆる分野が密接に関連するので研究領域はかなり広範囲に広がります。 また、どの地域を選択しても、地域言語を習得する必要があります。対象地域の言語をマスターすることによって地域のフィールドワークや直接、現地の言葉による文献研究が可能になります。
組織コミュニケーション学Communication
国際機関やNGOは、さまざまなプランを策定しながら問題解決に向け精力的に取り組んでいます。将来、国際援助活動のプロジェクトリーダーなど、指導者として活躍したいのなら、組織コミュニケーション学を専攻するのが最適です。主に複数の人間からなる集団内のコミュニケーションを研究とした学問です。具体的には、ディベート、スピーチ、プレゼンテーション、交渉、説得などといったスピーチコミュニケーションの領域を基本にしながら、性別とコミュニケーション、集団や組織におけるコミュニケーション行動、意思決定過程、モチベーションなどを学んでいきます。また、高度な語学力も要求されます。
ソーシャルワーク学Social Work
国際援助などの現場に、直接身を置きたいと考えるなら、アメリカ大学で現場対応型の専門分野を学ぶことが近道です。途上国での医療援助などで活躍するソーシャルワーカーは、そんな現場対応型の専門家の代表です。卒業後、日本に帰って関連の仕事にも就けますし、世界に目を向けて国際協力の貢献活動に生かすのも良いでしょう。著しく遅れている日本の社会福祉とは対象的に、欧米の取り組みは進んでいます。大学教育でも社会福祉の先進国であるアメリカでこの分野を専攻する意義は大きい。日本でソーシャルワーク学を専門に学べる大学は、ほとんどありませんが、アメリカでは多くの大学で専門的に学ぶことができます。