アメリカやオーストラリアのホスピタリティ産業は世界一の規模と水準を誇っています。ホテルも航空会社も世界市場に進出して激しくしのぎを削っています。これに対応すべく、アメリカの大学では、高度に細分化された専門コースが運営されています。また、オーストラリアでは、世界からの旅行客がとても盛んです。観光に携わる優秀な人材を育てようと、大学院にも専門課程を置いています。日本では、ホテルや航空業界は、希望学生が殺到する最も難関就職分野になっていますが、大学にはそれらの学部はほとんどなく、専門学校がある程度です。国際的なホテル業界や、フライトアテンダントとして航空業界で働きたい学生にとって、これらの分野が特に強いアメリカやオーストラリアで学ぶ意義は明確です。
アメリカでは、ホテル学部又はホスピタリティマネージメント学部と呼ばれるこれらの分野は、水準の高い百数十大学に学部があります。大学のパンフレットを見ると、まずホテル学や接客管理学の専門講座の多くにビックリするでしょう。これらの専攻を選ぶと、ホテル運営の基本となるマネージメント系科目やマーケティング科目といったビジネス学全般を基礎として学んだ後、ホテル業や航空、旅行業などの接客サービス関連の専門科目を順番に、学んでいくことになります。実際にホテルでおきたトラブル事例をケーススタディで学ぶこともあり、実践的な授業が多いのが特徴です。また、オーストラリアでは観光業界が国を支えているともいえる程ですので、観光には特に力を入れています。その時代にあったホテル運営をする為に、マネージメントや経営も専攻の中に組み込まれホテル業界全般の勉強ができます。
日本の専門学校でもホテル・観光・航空という専門性を学ぶことはできますが、たいていの場合は実務的なことが多く、実際に就職してからの研修で学べることがほとんどです。それに比べ海外で学んだ内容は、将来経営陣に加われるほどの知識や実践を学ぶので、全く内容は違います。また現在、外資系のホテルなどが日本にどんどん進出してきています。この場合、色々な国からのお客さんに英語で対応しなければならず、基本的な会話だけでは不十分です。なぜなら外国人は話しかけるのが好きでベッドメイキングの係りの人にも色々、話しかけてきます。又、急なトラブルの対応も必要です。この時代、ホテル業界も競争が激しい中、お客様にいかに満足していただくかが重要な鍵になります。その為、色々な経験を積んだ海外留学経験者が就職に有利になるのは考えるまでもありません。
また、インターンシップでは、現場でさまざまな状況に対応する事が求められます。その際には利用客が快適な時間を過ごせるような心配りを基本にした教育を受けます。単に自分ができるだけでなく、スタッフをどう指導したら良いかという視点でも多くを学びます。
観光学
Tourism
ホテル・ホスピタリティマネージメント学Hotel・Hospitality Management
旅行学Tourism
現在最も人気の高い業種のひとつである旅行サービス業界について、初歩の概論から実務的な知識に至るまで、幅広い内容を網羅する領域が旅行学です。ツアーコンダクターなど旅行業界で活躍したいという希望を持つなら最高の専攻分野です。旅行学は特に実践的で魅力的です。
ここでの勉強は、将来、旅行サービス業務で直面するであろう、あらゆる場面に対応できる内容を学びます。この分野を日本で学ぼうとすると、専攻をもつ大学も少なく、カリキュラムも大変選択の幅が狭められています。また、旅行業界で活躍する為には、英語力もバイリンガル水準まで磨いておくとともに、スペイン語などの外国語も積極的に学ぶと良いでしょう。
地理学・歴史学Historical Geography
ツアーコンダクターとして将来、活躍しようと考えるなら、地理学や歴史学は、必修ともいえる分野です。
ツアー客に良い旅行をしてもらう為に演出する上で、これらの学問は欠かせません。それは単に観光地の説明を引き出すものではなく、訪問したものに、自然の営みや、人間と土地や自然との関わりあいなどを考えてもらうヒントを与えてくれるものです。大学によっては旅行地理学といった講座を設けているところもあります。また、人文地理学や自然地理学といった一般的な地理学系科目のほか、地図学、地理情報システム学など、旅行業界で働く上で、大いに活躍できます。